フィリピン人を雇用するにあたり、他の国とは違ったフィリピン特有のルールがあり、手順も複雑となるので注意する必要があります。
世界一の出稼ぎ大国フィリピンでは、海外で働くフィリピン人が不当な労働条件下で働かされる現状が度々報告されているため、海外労働者の人権を守るための機関が存在します。それが、DOLE、POEA、POLOと呼ばれるフィリピン政府の管轄下にある機関です。採用手続きに関わる重要機関や特定技能の雇用に関わるガイドラインについてご説明します。
採用手続きに関わる重要機関
DOLE(Department Of Labor and Employment)
DOLE(Department Of Labor and Employment)とは、「労働雇用省」のことで、海外フィリピン人労働者の監督、人権保護などを行う重要な組織となります。雇用上何らかのトラブルが発生した場合は、労働者を守る観点から対処します。
POEA(Philippines Overseas Employment Administration)
POEA(Philippines Overseas Employment Administration) とは、「フィリピン海外雇用庁」のことで、採用活動を始めるにあたり、このPOEAに登録申請をした上で、適正な雇用主として認定を受けることが必須となるのです。
2017年8月にはフィリピン人と雇用契約を結ぶ際、POEA認定の現地エージェントを介さない直接雇用は原則禁止となりました。採用活動を始めようと考えている雇用主は、POEA認定の現地エージェント(送り出し機関)を探し、双方で募集取り決め(Recruitment Agreement)を締結をした上で、POLOへの申請書類を提出することから始まります。
POLO(Philippines Overseas Labor Office)
POLO(Philippines Overseas Labor Office) とは、「駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所」のことで、POEAの出先機関です。現地機関であるPOEAの登録認定を受けるためには、東京にある大使館もしくは大阪にある領事館内にあるPOLOへと出向き、必要書類を提出後審査を受け、推薦書を発行してもらう必要があります。
DOLEより発表されたガイドライン
2019年3月日本政府とフィリピン政府は特定技能に関わる協力覚書を締結し、DOLEから「特定技能の在留資格における日本への労働者の送り出しに関するガイドライン」が公表されました。認定された現地送り出し機関の公表や両国間で取り決められた雇用に関する誓約事項など細かな説明がされており、両国間でトラブルや誤解を招くことなく健全に制度が運用されるよう出されたガイドラインです。こちらのガイドラインも確認する必要があります。
このようにフィリピン政府による海外労働者を守る保護管理体制がしっかりしているため、採用活動開始前からいくつかの手順を踏まなければなりません。
直接雇用は原則禁止とされている点や、POLO、POEAからの認定を受ける必要がある点などフィリピン特有のルールに沿った手順に注意しましょう。
しかしそのおかげもあり細かな審査を行うため、適正と認定された受け入れ先と現地エージェントとの契約の中で、質の高い人材が採用されることにより、フィリピン人採用後の大きなトラブルは少ないといわれています。
参考:Philippines Statistics Authority
特定技能の登録支援機関について
このように、特定技能で外国人を受け入れるにあたっては、国ごとにある複雑な手続きや、共通で定められている支援を行う必要があります。
支援の内容は、下記の10項目です。
- 事前ガイダンス
- 出入国する際の送迎
- 住居確保に・生活に必要な契約に係る支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(人員整理等の場合)
- 定期的な面談・行政機関への通報
「登録支援機関」とは、特定技能外国人(1号)が、特定技能の在留資格に基づく活動を円滑に行えるよう支援を行う機関です。
特定所属機関(受入れ機関)は、受け入れる外国人人材に対してこの項目にある支援を実施しなければいけませんが、特定技能外国人の母国語でかつ専門的な内容となるため、施がが難しいかもしれません。
その場合は支援内容の一部または全部を、「登録支援機関」へ委託することができます。
人財ワークスは「登録支援機関」が運営しています
弊社は「登録支援機関」として、外国人材がより長く安心して日本で働けるためのご支援を行っております。特に、アジア、タイとの繋がりが深く、現在タイ現地へ日本語学校を建設中です。
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