特定技能人材とは?
特定技能とは、2019年に創設された在留資格の一種です。日本国内の労働人口不足に伴い、特に国内で人手不足が深刻な14分野で、外国人が就労できるようになりました。
特定技能で外国人材の受け入れを行う際には、受け入れ機関である企業(または登録支援機関)が、外国人支援計画を立て、外国人材が業務や日常の生活をスムーズにおこなえるよう支援を行う義務があります。
特定技能人材への「事前ガイダンス」とは?
特定技能外国人へ支援を行う計画については「1号特定技能外国人支援計画」と言います。
この支援計画に含めなければならないものの1つが「事前ガイダンス」です。
事前ガイダンスでは、特定技能外国人に対して、雇用契約や業務の内容・日本に入国・在留する際の注意点・在留資格に関する事項を説明します。事前ガイダンスの内容に含める項目も定められており、実施後は所定の確認書にサインを行う必要があります。
事前ガイダンスの実施方法
事前ガイダンスの実施方法は、対面またはテレビ電話等が認められています。書面やメールでの対応は不可となりますのでご注意ください。
義務的支援と任意的支援の違い
事前ガイダンスで説明する事項については、法務省の「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」に定められています。
説明する内容には「義務的支援」と「任意的支援」の2種類がありますので、義務的支援から解説していきます。
事前ガイダンスに係る義務的支援
事前ガイダンスの義務的支援とは、必ず説明を行わなければいけない説明義務のある、以下の10項目を指します。
①特定技能雇用契約の内容
雇用契約書の内容に記載される、雇用形態や業務内容、報酬、労働条件、勤務場所などを説明します。
②日本で行うことができる活動の内容
取得した在留資格で可能な業務、できない業務について説明します。
③入国(在留)に当たっての手続に関する事項
入国や在留資格変更にあたって下記のような手続きが発生しますので、採用者に合わせた内容で説明を実施しま
・在留資格認定証明書の交付申請
・ビザの申請
・在留資格変更許可申請
・在留カードの受け取り
④保証金等の支払、違約金等に係る契約をしていないこと
補償金や違約金を支払う契約を行っていないかの確認や、今後も行ってはいけない旨を説明します。
⑤外国の機関への費用の支払について
特定技能外国人が、仕事の紹介料などを母国の送り出し機関に支払っているかを確認します。支払っている場合は、費用の詳細や日付、本人が承諾しているかを確認します。
⑥義務的支援の費用負担者
特定技能の義務的支援に関する費用は、受け入れ機関が負担することと、本人が負担してはいけないことを説明します。
⑦入国時の送迎
受け入れ機関は、入国時に空港や港から就業場所や住居まで送迎してサポートする必要がありますので、その説明を行います。
すでに在留している場合は本項目の説明、送迎は必要ありません。
⑧住居の確保に係る支援の内容
特定技能外国人の住居について、受け入れる企業側が社宅等を提供する場合は、住居の必要条件に関する確認等を行います。
特定技能外国人自身が住居を手配する場合は、住宅確保や契約に関する支援を受けることができることを説明します。
⑨相談・苦情の申出を受ける体制
受け入れ機関は、特定技能外国人を受け入れる場合、生活や仕事に関する相談や苦情を伝えられる窓口の設置義務があります。
窓口があることと、相談方法、受付の時間などをガイダンス内で説明します。
⑩支援担当者の氏名、連絡先など
支援を担当する人物の氏名やールアドレス、連絡先を伝えます。こちらは提出する確認書にも記載する必須情報となります。
以上が、特定技能の事前ガイダンスで説明義務のある項目となります。
事前ガイダンスに係る任意的支援
次に、任意支援となりますが、下記の項目も伝えることが望ましいです。
・入国時の日本の気候、服装
・本国から持参すべき物、持参した方がよい物、持参してはならない物
・入国後、当面必要となる金額及びその用途
・特定技能所属機関等から支給される物(作業着等)
雇用者の現在の在住場所によっては、季節感も大きく変わる場合があります。
日本での生活をスムーズにできるよう、入国時の気候や必要な服装等を伝えたり、給与支払い日までに必要になる費用等も可能でしたら伝えましょう。
事前ガイダンスの注意点
事前ガイダンスの実施にあたっての注意点があります。
注意①特定技能外国人の理解できる言語で実施する
特定技能外国人への事前ガイダンスでは、重要な事項も多く、母国語など理解できる言語で行う必要があります。
日本語の聞き取りの理解度が高い場合は日本語で実施しても問題ありませんが、母国語で説明を行う場合も多いです。そのため、通訳者も同席するか、雇用者の母国語のわかる担当者が実施することが望ましいです。
注意②事前ガイダンスは3時間以上の実施が必要
事前ガイダンスの内容は、特定技能外国人にしっかりと説明し、理解する必要があるため、3時間以上の実施が義務付けられています。
また在留資格交付の際にも、事前ガイダンスを実施しているかを確認されるため、必ず実施しましょう!
事前ガイダンスの実施が難しい場合
事前ガイダンスは、特定技能人材が日本で働くにあたって重要なガイダンスを行う場です。しかしながら、人手が少ない中での長時間のガイダンスの実施や、母国語での対応などに不安がある方もいらっしゃると思います。
事前ガイダンスを自社で行えない場合は、外部の専門家である「登録支援機関」への委託も可能です。
特定技能の登録支援機関について
特定技能外国人を受け入れる場合、定められた支援が必要となります。「登録支援機関」とは、特定技能外国人(1号)が、特定技能の在留資格に基づく活動を円滑に行えるよう支援を行う機関です。
「登録支援機関」の支援内容は、下記の10項目です。
- 事前ガイダンス
- 出入国する際の送迎
- 住居確保に・生活に必要な契約に係る支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(人員整理等の場合)
- 定期的な面談・行政機関への通報
特定所属機関(受入れ機関)は、事前ガイダンスの他にも、受け入れる外国人人材に対してこの項目にある支援を実施しなければいけません。
弊社は「登録支援機関」として、外国人材がより長く安心して日本で働けるためのご支援を行っております。
特に、アジア、タイとの繋がりが深く、現在タイ現地へ日本語学校を建設中です。事前ガイダンスも、雇用される外国人の母国語でのご対応が可能です。
外国人人材の雇用を検討している、人手不足を解消したい企業様へ無料でご相談に乗りますので、外国人人材雇用に関するお悩みやご質問がございましたら、ぜひお問い合わせくださいませ。